2013年(平成25年度)予算審査特別委員会 主な審議内容と要望事項

<歳入>
①特別区民税
  • 税収構造について、課税標準額段階別納税義務者数(構成比)を10年前のH12年度とH23年度で比較するとそれぞれの段階で人口は増えているが、比率は変わっていない。納税額構成比で見ると、H19年度の税率一律6%のフラット化などの影響で高所得者も低所得者もそれぞれ納税されている。また人口に占める納税者数の割合は、H9年~H17年度ごろまでは52~53%、H18年度56%と急に増え、H19年~H23年度は57~58%と十数年の間に5~6%上がっていて、多くの区民が納税していることを示す。かつての文京区は、高額納税者が全体の7割の納税額を占めていた時代とは大きく変わってきている。つまり、低所得者から高額納税者まで幅広い層が、納税していただき、各層に配分すされる状況に変わってきたことを示す。
  • 退職分離課税の推移は、H12・13年度は5億円台、H15年~H19年度は4~5億円、H20年~H23年度は3億円。団塊の世代の大量退職時代も終わっている。また譲渡分離課税の推移は、リーマンショック前はH19年~H21年度は12~13億円、H22年度5億円、H23年度は6.5億円、H24年11月には8億円になり、H25年度予算では、前年度比3億円を積み増した。

②たばこ税は、H25年度4月から税率の引上げがあり1億円の増税を見込んでいるが、喫煙者数の減少から前年度より低い11億1,500万円を計上した。

③未申告者対策はしっかりと行い、税の公平性の確保を望む。

④シビックセンター内の施設利用料

  • 「キッズルームシビック」(一時預かり)の利用者数が年々増大して多くの方が利用されている。現状断っているケースもあることから、現在12人の定員増を強く要望した。
    (答弁)定員増を検討する。
  • シビックセンター1階空き店舗スペース(バリアフリーセンターの跡)は、現在未使用で大変もったいない状況。店舗で貸せば年間200万円位の歳入が生まれるスペースなので、早期に有効利用すべき。
    (答弁)いずれは礫川地域活動センターの建替えの際の仮事務所になるが、まだ時間があるので、当面は「休憩場所」を考える。
  • 自動販売機の設置が進んでいるが、シビックセンター内に休憩できる「いす」の設置を望む。
    (答弁)地下1階や3階の天空の広場に「いす」を設置する。
  • アンテナスポットの有料の利用状況は、H23年度14%、H24年度は今の段階で30%と延びている。アンテナショップだけでなく、スペースがあるところはワゴン販売など有効に使うことも検討していただきたい。
  • 役所全体の目的外使用は80軒あり、年間6800万円~6900万円の歳入がある。
  • シビックセンター裏の自転車駐輪場は、庁舎内の店舗など多くの方が利用するので、もう少し置き場の整理をして使いやすいようにすべき。

⑤区民センターの耐震補強工事に合わせて、1階の使用も見直すべき。
(答弁)1階の利用は検討する。

⑥特優賃区民住宅は、空き家状況や滞納者も出ていることが報告された。この制度は、ある程度の年数が経過すると年3.5%ずつ利用料(家賃)が上がることから、新規入居者が出にくい状況がある。

 ⑦育成室の利用については、親の就業状況の把握をして、利用時間の拡大を検討していく。

⑧幼保連携保育園の検討をしていく。

⑨勤労者共済会の加盟は、H24年度で7600人事業も活発に行われている。昨年30周年記念となった。

⑩緊急雇用創出事業臨時特例補助金は、終了する方向にある。若者の就業支援強化が必要である。

⑪市街地再開発事業補助金(春日・後楽園駅再開発事業)は、H24年度は2億4,000万円を見込んだが、実施計画が遅れて執行されなかった。

⑫東京都「東京スマート保育」に25年度に小規模保育(6人以上19人以下)の0歳~2歳児を対象にした補助事業が予算化されているので、是非この事業補助を受けて待機児対策を図っていただきたい。

⑬新・元気出せ商店街事業費補助金は、イベント対象で使いっきりの事業補助、商店街の方たちから非常に使いにくい事業との不満がある。使いやすい補助事業に改善していただきたい。

⑭被災地への職員の派遣は、H25年度は3自治体にそれぞれ1名派遣する予定で、給与約3千万は、受け入れ自治体が一時的に負担して国から補助金として被災自治体に配分される。

⑮子宮頸がんワクチンの接種後の副作用は、H23年度で1人が2分後に失神を起こしたとの報告があった。接種する場合は、保護者が15分から30分付き添いが必要である。

⑯奨学資金貸付金返済金の状況は、単年度では97%の返還率だが、過年度分を入れると6,900万円に達している。高校の義務教育化を要望した。

⑰被災地への職員派遣については、今後は技術職員の派遣が被災地から求められている。特にこの間派遣をしてきた3自治体に継続的に派遣していく。

⑱正規職員と非常勤の状況については、月1回及び選挙時の単発を入れると2千人を超えるが、正規職員に代わる非常勤(週29時間以上)は22.6%いる。

<支出>
◆総務費

①昔、礫川公園の周辺に「プレー射撃場」があった。平和事業経費については、戦争の不の遺産があるので、そうしたことも復元等にオリンピック招致予算を活用できないか。

②庁有車について電気自動車への転換を進めていただきたい。

③わたしの便利長作成については、NTTタウンページの電話帳とタイアップして作成する予定である。これにより経費節減と毎年発行できる。業者が各家庭へ無料配布する。年予算2400万円が600万円に圧縮される。

④先日CATVの事故によりテレビ・ネット・プラス電話が約30分間不通になった。これは、東京ドーム内の変電所の事故によるもので低波事故を引き起こした。区としては、この事故を重大に受け止め第三者機関の事故調査会も設置される。

⑤職員給与・研修について

  • 正規職員と非常勤職員の給与を比べると正規職員1人に対して非常勤職員2.3人分程度雇用できる。
  • 職員研修では、OJT(職場内研修)とOffJT(職場外研修)と組み合わせて効率的に行っていただきたい。
  • 健全な組織運営から管理職へ昇進していただくための昇進意欲を高められるよう取り組まれたい。

⑥区公式ホームページは、H26年度中にリニューアルされる。利用実態調査をし、広告を付けていく予定である。利用しやすくすると、評価の高い自治体を参考に改定していただきたい。

⑦防災対策 ・福祉避難所及び妊産婦・乳児救護所整備(43,856千円)は、跡見学園大、貞生学園、日本女子大、東邦学園の4女子大学の協力を受ける。ハイリスク妊婦は順天堂病院で、また助産師会館にも協力をお願いしている。この避難所では、行政無線及び衛星電話を整備することになる。 ・中高層マンションの防災対策支援が、新規事業として計上された。マンション住民が防災意識の向上に繋がる策として、災害時救助資器材やエレベーター閉じ込め対策(簡易トイレ・飲料等)などが上げられているが、防災意識の醸成に繋がるよう助成サービスを柔軟に対応されたい。

⑧選挙 ・選挙広報は、2012年12月の衆議院選挙から新聞販売店で全戸配布するように改善された。今までの「どこにあるのか」という問い合わせが無くなった。また郵送も無くした。

  • 有権者がこの10年で1万7千人増えている。26投票所も選挙人登録者数が2千人~9千人と差があり、投票所の広さを考慮して見直していただきたい。
  • 開票事務の改善はされてきたが、更なる工夫で時間短縮に繋げていただきたい。
  • 若年層の選挙投票率を上げるための啓発と意識や関心を、さらに高める努力をしていただきたい。

⑨シビックセンター施設管理

  • 駐輪場の整理をして、職員の通勤自転車アリアを設置して来庁者が気持ちよく使えるようにしていただきたい。
  • 1階女子トイレは、戸数は少ないことから利用頻度が高く汚れ方がひどい。清掃回数を増やす対策もあるが、根本的に戸数が少ないことが問題である。改修の際にはトイレ対策を講じていただきたい。
◆区民費
①B-ぐるの雪による運休のお知らせは、まず予告をバス停に貼ってあり、URコード、電話番号掲示、またツイッターの速やかな情報発信をしている。
②戸籍住民課証明発行業務をH26年2月から窓口業務、郵送請求業務をH26年4月から民間委託が開始される。メリットは、民間活力の活用により繁忙期の弾力的人の配置が可能にできるなどがある。個人情報保護の観点から、充分適正な業者選定を行っていただきたい。
③区民交通傷害保険は、自転車の事故が多いことからもっとPRすべき。H23年度7,505件の加入状況である。
◆産業振興
①商店街振興は、新・元気出せ事業など都支出金で行う事業については、手続きを直接区ができるようにしていただきたい。
◆民生費
①高齢者の現状は、後期高齢者の比率が高まり、認知症や独居が増えている。よって、各事業の評価や精査を行って、高齢者の実態にマッチした優先順位や改善を図っていただきたい。
②シルバー人材センターについては、仕事の内容と会員の知識や経験とマッチしていない点や事務費の改善等を指摘し、今の社会経済状況に合った運営に見直していただきたい。
③生活保護受給者の「その他受給者」が増えたことから、国は、基準の改定(3年間で740億円削減)を示しているが、これによる影響受ける制度や事業が多いので、充分配慮していただきたい。
④子育て情報提供事業は、絆メール、妊産婦へ「子育て応援マガジン」のメールを発信を開始する。NPOに委託して区から情報発信する。
◆衛生費
①風疹が爆発的に流行している。区民・子どもたちに充分周知して予防に努めていただきたい。
②麻薬・覚せい剤撲滅については、学校教育等でも徹底的に予防啓発をしていただきたい。
③受動喫煙防止策を拡充していただきたい。
④妊婦健診は、無料健診が14回に拡大されているが、初診で血液検査を含めて検診が行われ自己負担がある例がある。妊婦の無料健診を周知し定期的な受診を促していただきたい。
◆都市整備
①区内地下鉄駅で唯一エレベーターが無かった江戸川橋駅について、民地建設に伴ってH27年度中開始をめざして近日中に工事着工に入る。地域町会等に説明会を開催する。
◆土木費
①放置自転車対策は、置き去りにされ引取りにも来ない所有者に困っている。処理費用は7千円。
②今後みどり実態調査を行い今後の事業精査していく。H16年度の緑比率は17.6%であり、現在調査中だが、比率は高まると予想される。
◆資源環境
①電気自動車の急速充電スタンドを公共施設に新規設置を要望する。庁有車についても電気自動車を計画的に配車していただきたい。また、新年度で国の補助率も上がるので、個人や商店中小企業者へ電気自動車の普及と充電スタンド設置を進めていただきたい。
②新エネルギー等利用促進事業は、新年度でエネファーム事業が始まる。都も家庭用蓄電池設置補助を始める情報があるので、窓口であらゆる補助事業を紹介してエコな生活が広げていただきたい。
◆教育費
①学校防災宿泊体験学習事業は、小・中学校で1泊2日を実施する。H25年度は、小学校4年生20校全校、中学校2年生は3校で実施し、H26年度までに中学校10校での実施をめざす。
②東京のおいしい水を子どもたちに飲んでもらいたいことから、学校施設で貯水槽通さないで使えるように給食等利用が進められているが、さらに普及されたい。
◆国民健康保険特別会計
①医療費は、この5年で一人当たり7万円も増えている。またH25年度も保険料の引き上げに繋がっている。それを受けて、医療費の削減の一環として「ジェネリック医薬品」の利用進め、来年度は目標を30%にするなどの努力をする。
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