2018年6月定例議会 本会議一般質問<最終原稿>■ ぶんきょう未来 品田ひでこ

「ぶんきょう未来」を代表して品田ひでこが一般質問を致します。

1.自転車駐輪場の使用料金見直しについて

文京区の自転車駐車場「定期利用制」の使用料は、

  • 一般の方は、月額2,000円 年額24,000円
    学生は、3割減額の 月額1,400円 年額16,800円です。
  • 現在の使用料改定の経緯は、区民への理解を求めるため、平成26年度が月額1,000円、27年度が1,500円、28年度から今の月額2,000円と段階的値上げ策を取りました。
  • 使用料の改定の議論の中で当時、「近隣区と整合性を図るため料金を改定する」との区側の説明で、私たち議会は長い間近隣区より安く設定されていることや激変緩和策を取ることから総合的な判断で苦渋の決断ではありましたが、使用料の値上げを決定しました。
  • しかし、あれから近隣区の使用料が変わったのでしょうか。区は、隣接区の状況や区民の利用実態を把握していないのではありませんか。

<現在の隣接区の状況>

  • たとえば、千代田区の飯田橋駅の使用料金は、区民が年間3,000円、区民以外は年間6,000円です。ですから、文京区民一般の24,000円や学生の16,800円よりも千代田区の区外者6,000円を利用した方が安いという逆転現象が起きています。千代田区の駐輪場の方がより駅に近いこともあり、文京区民は、すかさず千代区の区外者利用で使用させて頂いているという現象が起きています。
  • また豊島区では、東池袋駅の利用は、区民でも区外でも居住不問で、年間定期利用が6,000円です。つまり文京区民もこの料金で使用が可能です。さらに豊島区は、駅や場所によって使用料に差があります。一般の方で月額1,250円~3,000円、学生は650円~1,250円です。おそらく土地の評価格や需要から換算した料金と推測されます。

<質問1>現行の文京区自転車駐車場使用料は、料金改定から3年目に入りました。ですからこの際、近隣区の使用料金や実態を早急に調査すること、区民の声を再度しっかりと伺うこと、「近隣区と整合性が図れるように検討され、区民が利用しやすい料金設定になるように、使用料を改定すべき場所の再算定をし、使用料を見直すこと」を強く求めますが、区長のご見解をお聞かせください。

また、「自転車駐車場一時利用制」(コイン式)が年々増えています。

  • 春日・後楽園駅から始まり、千石、茗荷谷、東大前、本郷三丁目、江戸川橋駅に、現在12か所1,230台分が設置されています。
  • 一方「自転車シェアリング」は、現在サイクルポートは42ヶ所合計500台分が用意され、街でも毎日見かけるようになり利用拡大が図られていることを実感しています。しかし、事業費が膨らむ課題や公共交通として今だ定着の確認が取れない実証実験中です。

<質問2>定期利用制や一時利用制との配分、また自転車シャアリングなど、自転車駐車場事業も大きく変化していることから、今後は全体のバランスも考えていくべきです。交通安全や環境に優しい街づくりの観点から、今後の事業展開や方針をお聞かせください。

2.シビックセンター地下駐車場の活用について

30年度予算審査特別委員会で私が提案した「シビックセンター内の駐車場、特に地下駐車場のスペースの活用と運用」について改めて政策提案します。

<まず現状は>

  • 地下3階の平置:78台の利用に少し余裕がある。
  • 障害者用スペースが6台分ある。
  • 庁有車:23台の維持管理費縮減も課題になっている。
  • 土日祝日の利用状況は、東京ドーム等のイベントに伴ってほぼ満車状態、しかし区役所の業務が行われている平日は、まだまだ余裕があると確認できました。

<そこでこの状況を鑑みて>

  • 環境行政のさらなる促進のために
  • 今後、高齢化に伴う車いす移動の需要が拡大されることへの対応策として
  • 平成27年に設置された「急速充電スタンド」の利用拡大や庁有車の維持管理費の縮減とエコカー導入を進めるために

私は、こうした観点から、駐車場のスペースの有効利用をさらに図るべきと考えます。

<質問3>①区民利用と庁有車利用が可能な「環境に優しいエコカーのカーシェアリング」を導入することを提案しますが如何でしょうか。 また②区民がいつでも利用できる「リフト付き福祉カーシェアリング」も一緒に提案します。是非ご検討頂きたいので、合わせてお答えください。

<質問4>さらに、委託業者の自動車利用は、現在各課の管理判断となっています。この際、登録制や有料・無料の基準を設け、公正かつ適正に料金を定めるべきと考えますが、お答えください。

3.子ども・子育て支援計画の見直しについて

(1)保育所の待機児童対策

この度、平成30年度4月1日現在の保育所待機児童数は、101人と発表されました。昨年の283人を大きく下回りました。この一年、認定保育所や0-2歳の小規模保育所の新設に努められ、待機児童対策に改善や成果が見られたこと、嬉しく評価致します。 しかし、本年2月9日の時点で「保育園に入れない」希望に沿えないお子さんが966人、4月の時点でまだ101人いることから、対策のスピードを緩めるわけには当然行きません。

<質問5>今後の保育所待機児童対策を一層進めていく解決策への取組みを改めて伺います。

(2) 子育てメニューの拡大について

私は現在、文教委員長を務めています。ですから、保育所の待機児童対策と同様に「子育てメニュー」の拡大は、私にとっても重要な課題です。 「子ども・子育て支援事業計画」の3月改定が、2月の文教委員会で審議されました。ニーズ量の算定結果や計画に定める量の見込みが大きく変動するとの報告に、熱心な議論が行われました。

  • 保育所の0歳児定員が足らない緊急事態であること
  • 小規模保育所0-2歳の子どもが、3歳から転園する認定保育所の受け入れ問題
  • 一時利用の預かり保育や区立幼稚園の預かり保育への需要が年々高まっていること
  • 病児保育のニーズ拡大に対する区の緊急対応
  • 育成室はあと2か所増設の計画変更が示され、31年度までに整備を約束していますが、音羽地域活動センター跡地以外に開設のめどが立っていない
  • 園庭のない保育園の遊び場のさらなる確保を進めること などです。

<質問6>こうしたひとつ一つの緊急かつ重要な課題に、文京区は全力でスピーディーに取組むべきですが、区長の覚悟をお答えください。

4.文京区の無電柱化推進について

(1)巻石通りの無電柱化

  • 私は、前回平成29年9月の本会議一般質問で、「目白通り南・江戸川橋側」の無電柱化の促進をお願いして「東京都が2020年を目指して整備される予定」とのご報告を頂き確認が取れました。
  • 重ねて「巻石通りの無電柱化」を強く提案しています。区は、国の「無電柱化の推進に関する法律」や東京都の「無電柱化チャレンジ支援事業」を活用し、都の技術的支援を受けて、この度「巻石通りの無電柱化整備」方針(案)が示されました。前向きに取組んで頂いたこと、大変感謝します。
  • しかし、去る5月25日開催の建設委員会で報告された方針案の内容は「3期にわたる工事期間32年」つまり「次世代に完成」というビックリの気の長~い計画でした。

委員会の審議では、

① 32年の工事期間を短縮するため、1期と2期を同時に工事ができないか。
② 「地上機器」のコンパクト化は全国的に広がり期待される。
③ 浅層埋設、低コスト手法の工事技術で進める。
④ バリアフリー工事を8年でやると区は計画を区民に示した。それを活かしてバリアフリー工事を先に進めてほしい。
などの意見が出されました。

さらに、5月26・29日の「地域説明会」では、

① 防災機能の強化
② 歩行区間の改善
③ 景観の向上

と無電柱化の3つの目的で工事をすると住民に示されました。その中で出された意見は

① 狭く斜めになった歩道を何十年もずっと我慢してきた。一日も早く安全な歩道と工事期間の短縮を切望する。
② 「何回も掘るのは大変なので無電柱化後にバリアフリー工事をする」との職員の説明に対して「10年20年も先になるので、2期・3期の区間は、先にバリアフリー工事を進めてほしい。」
③ 保育園の建設が予定されているエリアは、送り迎えの自転車の往来が多くなり心配なので、地上機器の設置場所は考慮していただきたい。
④ 金富小学校の通学路でもある2期工事を最初にして、子ども達の安全を優先してはどうか。
⑤ 32年間の工事では、商売に影響するので、工事を早く仕上げてほしい。
などでした。

<質問7>巻石通りへのこうした多くの意見要望を受けて、無電柱化整備方針にどのように反映され、工事期間短縮に努力頂けるのかお答えください。
また、「文京区無電柱化推進計画」の策定には、文京区の特性や住民の声を反映し、どのような点が配慮された計画になるのか一緒にお答えください。

(2)次に、今後文京区内に無電柱化を整備するに当たり、新たなエリアを提案します。それは、「こんにゃくエンマから言問通り根津エリアまで」です。

その理由を3つのブロックに分けて説明します。
① 春日・後楽園駅前地区市街地再開発 北側(こんにゃくエンマ~西片交差点まで)

  • 現在東京電力が、電柱の撤去を検討中ですが、再開発部分から北側にかけて電気の供給がされている電柱があり、物理的な点で撤去が困難な電柱がある。

  • 地元商店会のアーケード撤去に、多額の賠償金を支払う可能性があり、再開発組合の経済的負担が課題になっている。 このエリアは、2つの大きな課題から困難な状況です。

② 通称言問通り(西片交差点~菊坂下交差点~東大農学部前・本郷弥生交差点)にかけて

  • 一部歩道に狭隘な部分があり、2m歩道の確保が急務。

  • 地元「西片町会」では、町会の東側と南側の区道892号(清水橋下通り)の無電柱化が検討されている。さらに、この通りは災害時に重要な幹線道路との認識で、無電柱化を近隣町会と共に推進していきたいと研究、協議中である。

③ 言問通り(本郷弥生交差点~弥生坂(鉄砲坂)~根津駅交差点~根津商店街区界エリア)

  • 根津駅近くは急な坂と歩道が狭隘である。

  • 根津駅を中心とした商店街の歩道の安全性確保は、集客力を増すことが期待される。

  • 一方東京都は、無電柱化計画の基本方針や目的に「今後は、一層の防災性向上を図るとともに、区市町村が実施する無電柱化とも連携し、都内全域での面的な無電柱化を推進していく」と宣言しています。こうした時代の流れの中で、

<質問8>言問通りは、シビックセンターや小石川と根津地域を結ぶ重要な幹線道路で、災害時の重要性を区はもっと認識して取組むべき道路です。こんにゃくエンマから東大農学部~根津エリアまでの道路の無電柱化を提案します。文京区の無電柱化計画にご検討頂けますでしょうか、区長の見解を伺います。

次に、無電柱化を進める上で困難な理由の一つに「地上機器の設置場所問題」があります。区は区民に対して、地上機器を理由に無電柱化の推進にブレーキをかけているように見えます。そこで、学校、公共施設などの敷地はもちろんですが、民間の協力を頂いて協働で置き場所の確保に努めるべきと考えます。 さらに、最近都内では、地上機器の上部に電子掲示板を付けるモデル事業も計画されていると聞いています。

<質問9>無電柱化の取組みで、ネックになっている地上機器の設置場所対策を積極的に行うことで、無電柱化整備が加速すると考えます。そこで、沿道の私有地の提供を進めるために、税制優遇や設置場所の提供が進む手だてが急務です。今後の「無電柱化推進計画」に推進の手段や施策を考えて頂けるかお答えください。

5.B-ぐるの路線拡大と改善運行について

四回目のB-ぐるの質問です。

・今回は、やっと「文京区コミュティバスB-ぐる課題等分析委託」報告書が示されました。この報告書を中心に質問いたします。

<サービス改善ニーズ>について

利用者は、①20分間隔を短くしていただきたい。
非利用者は、①新路線の開設 ②運行時間の短縮  を希望されています。

<新規路線案>について

・既存路線の再編成より逆ルートの検討の方がリスクが少ないという報告です。
一定理解し可能性はあると考えます。

<公共交通不便地域>は

・白山、千石、大塚、本郷、湯島の5か所が示されました。この解消には、
① 千石・大塚地域 ②本郷・湯島地域 の2の新規ルートの整備が急がれます。
・昨年度の町会連合会と議会との懇談会でも「B-ぐるの湯島・本郷地域の路線拡大」への関心や要望が高いことを痛感しています。
・平成27年11月の一般質問で「B-ぐる4路線化・バスターミナル設置」を私は強く訴えました。報告ではバスターミナルは困難のようですが、乗継を上手にできれば区内を隈なく移動できる実現性は高まりました。是非その方向で進めて頂きたいです。

<費用負担>の課題は

・現在、年間延べ95万人の利用で、1人1回利用に30円程度の区の負担になっています。 これをどう考えるかです。

<総務区民委員会>では

① 高齢者のお出かけ機会を増やして、高齢者対策・介護予防・健康維持への投資とみる
② 教育センターや湯島総合体育館は通すべき。
③ 起伏の多い、坂の多い文京区にはコース拡大が必要である。
④ 保育園も増えて、雨の日などの足になっている。
⑤ 商店街など地域間活性化の投資と考える
⑥ 逆ルートも全く同じルートで調査しているが、柔軟に考えて可能性を探るべき
⑦ とにかく、スピーディーに拡充を図れたい   との意見でした。

<質問10>区民の皆さんは、B-ぐるが今より便利になること、区のスピーディーな対応を待ち望んでいます。区長、B-ぐるの今後の拡充予定を区民に早くお示しください。

6.区有地・国有地の活用について

(1)「音羽パークロード600」の再整備の提案

  • 首都高速道路5号線、音羽の高架下の暗いイメージを解消し、明るい雰囲気で地域の利用や必要な施設を整備することを目的に、延長約660mを道路と公園が一体になるよう計画された「音羽パークロード600」が平成6年に誕生しました。

  • 翌平成7年に、当時の建設省「手づくり郷土賞・コミュニティ部門」で受賞し、画期的な施設として話題になり、音羽地域の活性化に大きく寄与してきました。

  • しかし、あれから24年四半世紀が経過しました。現状はどうでしょうか

まず、利用状況は

① 多目的ゾーンは、町会のお祭りやイベント、青柳保育園の夏祭り、消防団の訓練や町会の防災訓練など、年に6回ほど活用されています。
② 児童公園ゾーンは、保育園や放課後の児童の利用を確認しています。
③ 遊歩道ゾーンは、散歩コースにもなっています。 とても嬉しいことです。

・しかし、残念な現状もあります。

① 全体的に清掃が徹底しているとは思えません。薄汚れた感じがします。
② このことからでしょうか、ホームレスが数人住んでいます。
③ 公園ゾーンの池は、夏場の2か月だけ水が入り、チューリップの噴水は全く停止状態、とても「憩いの場」の雰囲気を醸し出してはいません。
④ ヘルスゾーンの利用は少なく、園庭のない保育園が周辺に新設されていることから、子ども達の走り回れる広場に転用し、安全に遊べる場を提供すればと誰もが思います。

  • 今各地で、高架下の活用が進んでいます。技術革新で騒音、振動も低減されています。

  • 音羽通りから一本入ったこの地域は、関口に登る静かな住宅地です。騒音振動を伴う施設は好ましくはないと思いますが、少し荒廃した状況をこのまま放置はできません。
    早急に解決すべきです。

<質問11>私は、24年経った「音羽パークロード600」を今の時代に合った再活用・再整備に取組むべき時期が来たと判断し提案します。区長の積極的な考えを求めますが、お答えください。

(2) 茗台中学校西側の区道の土地活用について

  • この土地は、基本は「土木部の資材置き場」になっています。

  • しかし現在は、平成27年8月11日から地下鉄メトロの工事に貸し出し、31年9月30日までの契約です。区は「道路占用料」として使用料を頂いています。 調べてみると

  • 平成27年度が、8か月で176万円

  • 28・29・30年度は、年間317万1千円ずつ

  • 残りの31年9月の終了までの4年半で1,286万円をこの場所で稼いでいることがわかりました。

  • 私は、まずこの土地が「資材置き場」であることは、近くに住み知っていましたが、「行き止まりの区道」であることを今回初めて知りました。そして貸し出しが終わった後、これだけの価値のある場所を「資材置き場」に戻すのはもったいない、もっと有効利用の方向で考えるべき、とここに提案します。

<質問11>私は、24年経った「音羽パークロード600」を今の時代に合った再活用・再整備に取組むべき時期が来たと判断し提案します。区長の積極的な考えを求めますが、お答えください。

(3) 春日1丁目・小石川税務署北側の国有地の活用について

  • 小石川税務署裏の国の官舎跡地は、もう何年も塩漬け状態です。周りに住宅も少なく閑静な場所で、私は特別養護老人ホームの施設整備に敵地だといつも思って見ています。

  • 一方、後楽地域のエリアマネジメントは、今年度は敷地調査、31年度で設計、33年度から工事に入る予定です。

<質問13>小石川税務署北側の国有地を文京区として取得に向け動いていただきたい。後楽地域エリアマネメントと合わせて、この地域の活性化を求めますが、区長の前向きな答弁を伺います。

以上で私の質問を終わります。

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