5月15日(金)

■ 北海道の取り組み 道庁で

①レンガ造りの旧道庁前でメンバーと記念写真

②道庁内でヒアリングを受けている様子

■道庁にて、下記のテーマをそれぞれの担当者の方からヒヤリングを受けました。

・北海道の北海道の行政改革及び政策評価について総務部行政改革局行政課
・北海道の目標管理型行政運営システムについて総合政策部計画推進局
・構造改革特区について総合政策部地域づくり支局部
・広域連合による共同アウトソーシングについて
(HARP構想関連)
総合政策部科学IT振興局
情報政策課
・北海道における道州制と地方分権における議論の動向について
・道州制に伴う国と出先機関との関係について
・道州制に伴う支庁再編について
・道州制に伴う基礎的自治体との関係及び支援について
総合政策部地域主権局

■北海道のかなり厳しい財政状況から、大掛かりな削減策を展開していました。特に「構造改革特区」を使った柔軟な政策展開の発想は、たいへん参考になりました。

■ 西いぶり広域連合

①担当者の西いぶり広域連合
共同電算室 主任 佐久間 樹氏
②ヒアリングを受けているPQM会員
(日本IBM札幌事業所 会議室)

■「西いぶり広域連合」は、室蘭市、登別市、伊達市、豊浦町、壮瞥町、洞爺湖町の6団体で構成されています。平成12年に、廃棄物処理の広域連合で始めたこの団体が、今では、共同電算センターを設置して電子自治体になるまでの進化を遂げています。ヒト・モノ・コスト・業務を共同アウトソーシングし、
①事務の集約化と事務事業の効率化
②業務の共通化・標準化
③地場企業活用による人材の確保
の点で効果をあげています。北海道の地域事情に即した現実的な共同策と柔軟な発想に驚かされました。

5月16日(土)

■ 北海道会派視察第2日目(伊達市)

①石狩市にある実際に稼動している「市民風力発電」を見学しました。

②風車の塔に「市民風車建設応援ファンド」に出資した方の名前が刻まれています。

③三基中二基が稼動していました。落雷や鳥による影響などメンテナンスも大変です。

④お世話になった「北海道グリーンファンド」 広報・省エネルギー担当の小林ユミさんです。

■「北海道グリーンファンド」は、環境問題のNPOです。さらに、日本では先進的な活動をしている有名な団体です。その取り組みと市民風車の現地視察をしました。(石狩市)道内で、電気料金の5%を寄付するという「グリーン電力制度」を普及させました。これにより、
①環境にやさしいエネルギー未来を意思表示して、気軽に環境にやさしい活動を継続的に行う
②電気料金の寄付から省エネを啓発する
③寄付されたファンドで自然エネルギーの市民風車による市民共同発電所を市民の手でつくる
④企業にも積極的に働きかけ参画させる、そして、全国に「市民風車」を普及しています。
これは、環境団体としては、実にレベルの高い運動です。北海道の女性達の思いや行動力が、共感を呼んで大きな力になって全国に広がり、お手本とすべきすばらしい取り組みに改めて感動しました。

■ 北海道会派視察第2日目(伊達市)

①「海の噴水」のショーは、ノグチ・イサム氏の「水の彫刻」と呼ばれる、今まで見たこともない、すばらしい芸術的なものでした。伺うと、建設費10億円、年間維持費が、約2,000万円とのこと、ちょっとわが区には無理ですね。

②公園の建設に係り園内を案内していただいた「モエレ・ファン・クラブ」事務局の森本智博氏です。噴水ショーの間に、公園の建設や完成までの経緯を伺いました。お話から、この公園にかける森本さんの熱い思いが伝わります。

③まるで外国のような、美しく芸術的な広々とした公園です。市民が憩え、家族で楽しめるように、随所によく工夫された設計です。夏には、海辺をイメージしたビーチゾーン、雪を蓄積利用した省エネ型の事務所棟もありました。

②風車の塔に「市民風車建設応援ファンド」に出資した方の名前が刻まれています。

■1988年3月、札幌市は、彫刻家ノグチ・イサム氏の参画を依頼し、公園のマスタープラン(基本設計)を半年(その年の11月)で創り上げました。しかし、翌月彼が急死したことから、契約関係などで壁にぶつかりました。そこで、設計会社のアーキテクトファイブが中心になって彼の遺志を継いで、17年後の2005年に完成させました。この地は、もともとゴミの埋立地、工業用の残土で造られ、標高の低い水浸しになる調整池でしたが、日本にはちょっとない美しい公園に甦りました。開園以降、「モエレ・ファン・クラブ」が、市民や利用者と一体となって(指定管理者と協働)公園をサポートしています。

■ 北海道会派視察第2日目(伊達市)

江別市に移動しました。江別市では、古くからレンガを生産していたことから「赤レンガ資料館」を見学しました。さらに、市民が焼きもの(器)を気軽に製作できる併設されている「アートサロン」を訪問しました。写真左は、ご案内していただいた江別市の学芸員、中央は、ゼミ同期の友人、江別市議会議員の岡 英彦さんです。今回の視察で、遠く江別で議員として活躍している岡さんに再会できてうれしかったです。

■午後は、ローカル電車で三沢市へ移動。はじめに「寺山修司記念館」続いて「三沢航空科学館」の2箇所見せていただき、米軍基地問題も伺いました。ウーン・・箱物、交付金の行政運営(?)「基地の町」の課題など地方行政の実態!を知らされました。

■ 江別市 町村農場のバイオマス発電

①牛の糞を溜めておくプール。いっぱいになるとふたをして(写真奥のドーム状)発酵させると、メタンガスが発生します。この場所は、私には、ちょっと耐えられない臭いでした。

②メタンガスは、こちらの小屋で発電します。それを送電線で酪農作業場に送り、電気として再利用されるわけです。これが「バイオマス発電」の仕組みです。

北海道と言えば、やっぱり酪農です。ちょっと風変わりな酪農家を訪ねました。ご主人は、江別市近郊で酪農を営んでいることから、近隣から糞の臭いの苦情で、頭を悩ませていました。そこで、「バイオマス発電」に挑戦しました。今では、約4割の自家発電ですが、悪臭対策も兼ねて頑張っています。 搾乳も電気で効率よく行われ、私の酪農のイメージを一新させました。乳製品は、私たちの毎日の食生活に欠かせません。国産の品質は、やはり安心安全と再確認しました。

視察後記

蝦夷桜(八重桜)と花壇のチューリップが満開の旧道庁前の広場で、同行指導いただいた北大路信郷教授と記念写真です。

「公共品質マネジメントフォーラム」は、行政サービスの品質の向上を目的に、多岐にわたる研究会や視察を重ねています。視察研修会は、今回が3回目です。北海道は、財政が大変厳しいことから、道、支所、市町村のそれぞれが、行財政改革を余儀なくされています。しかし、行政サービスを低下させない工夫にも真剣に取り組んでいます。それが、効率化、共同化、産業復興、指定管理者、協働に現れ、実践的な取り組みを学びました。さらに、環境問題に取り組むNPOや酪農家の先進的な活動現場も視察できました。最後に、視察先でお世話になった皆様にお礼を申し上げますとともに、研修会の顧問で、同行指導してくださった、明治大学公共政策大学院 北大路信郷教授にも感謝申し上げます。

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