2008年予算審査特別委員会の報告

<総括質問から>

1.「定率減税の段階的廃止」による区民増額や影響額

  • 18年度初年度で、当初課税において約7億5,000万円の増加になる。所得税の納税者数は、約9万7,000人であり、一人当たり金額は、約7,800円の増となる。19年度についても、約7億5,000万円の増となる。

2.「三位一体改革」の区財政への影響額は、

  • 16年度 約2億800万円マイナス
  • 17年度  約2,600万円マイナス
  • 18年度 約4億4,800万円マイナス

3.ガソリン税等の「道路財源諸税」の暫定税率を廃止した場合の区財政への影響額は

  • 平成20年度予算ベース試算で、計上額6億5,000万円に対し、「約3億円の減収」と見込まれる。
  • 17年度  約2,600万円マイナス
  • 18年度 約4億4,800万円マイナス

4.「子育てに係わる20年度予算」

  • 約26億3,500万円で、社会保障給付費全体に占める割合は、16.9%。子どもの人口一人当たり(20年1月1日現在)の予算額 約13万6,000円となる。昨年と比較すると、予算額で約2億6,900万円の増(0.5%) 子ども一人当たり約1万1,000円増加となる。17年度  約2,600万円マイナス

5.「高齢者施策に係わる20年度予算」

  • 約38億4,400万円で、社会保障給付費全体に占める割合は、24.7%。高齢者の人口一人当たり(20年1月1日現在)の予算額 約10万6,000円となる。昨年と比較すると、予算額で約10億5,400万円の増(0.5%)  高齢者一人当たり約2万8,000円増加となる。

6.4月から始まる「後期高齢者医療費制度に係わる20年度予算」

  • 後期高齢者医療費制度は、政令どおりに算定すると保険料が、19年度の国民健康保険料と比べて著しく高くなることから、保険料の軽減を図るため、市区町村が一般財源を投入し、総額100億円の特別対策を講じた。さらに、低所得者対策として、約7億円の財政負担をした。文京区は、総額約2億1,000万円の予算計上をし、制度の円滑な実施に取り組んだ。

7.「障害福祉サービスの利用者負担の軽減措置の拡大」

  • 約38億4,400万円で、社会保障給付費全体に占める割合は、24.7%。高齢者の人口一人当たり(20年1月1日現在)の予算額 約10万6,000円となる。昨年と比較すると、予算額で約10億5,400万円の増(0.5%)  高齢者一人当たり約2万8,000円増加となる。

8.20年度より新たにメタボリックシンドロームに着目した「特定健診・特定保健指導」(1億9,326万円)が導入される。このため、これまでの節目健診、成人・高齢者健診(6億252万円)が無くなりる。しかし、国民健康保険特別会計に「特定健診・特別保健指導」として2億5,285万円を、また、後期高齢者医療特別会計に「健康検査等事業費」に1億7,036万円を計上した。これらを合わせて比較すると約1,400万円の増額となる。
9.文京区職員の20年度採用は、保育園職員32人、全体で90人の大量採用となった。団塊の世代の大量退職が理由だ。しかし、新たに導入した経験者採用で11名を採用予定した。

<歳入・歳出の審議から>

  1. 納税の公平性から考えて、未申告者、つまり納税しなければならない人の数を減らすことの努力を引き続きすべきと考える。
  2. 「ふるさと歴史館」については、今後の「観光ビジョン」の策定の中で、立地等の条件など見直していただきたい。
  3. シビックセンターが建設されて早13年が経過した。今後は、低層階(地下2階~地上5階まで)の見直しが始まる。低層階には、シルバーセンター・障害者会館・中小企業センター・消費生活センターと区民の皆さんがその目的に見合った利用展開が図られた。現在の区民需要に見合った改善が図られる。
    特に、1階については、区役所の顔とも言える場所なだけに、良好なイメージを作り出す空間が作り出していただきたい。
  4. 職員の人数について、区民100人に対して職員1名の割合は、行財政改革や人口増で達成した。しかし、23区の平均は、人口125名に職員1名の割合であることから、さらなる努力が必要である。
    再任用は、今年度定年退職74人のうち67名と9割、ほぼ希望者全員となっている。
  5. 窓口相談、行政情報センターなどの相談業務や電話やはがき、メールなどでいただく意見・苦情などさまざまである。区民から見ると区役所は、まだまだ敷居が高いことがあることから、低層階の見直しの際にハード面を考慮していただき、ハードルを低くし相談し易い体制に見直していただきたい。
  6. 幼稚園の「預かり保育」の平成18年度の実績は、14園で年間3,053人、一日14園で15人。子育て支援の需要として必要な施策である。
  7. 新設される「政策担当課」は、文京区の将来に向けて取り組まなければならない問題の見通しや課題設定の研究を行って行く予定である。人口構造も変化し、今の企画部の中に当初は置き、行政のシンクタンクの役割を担っていく。
  8. 災害時に高齢者等の要支援者3,618名の登録がされた。今後は、地域ごとに整理され、民生委員を中心に個人の支援計画を作っていく。地域が防災弱者を支えていく第一歩である。
  9. 地域の町会が複数で協力体制をとる「災害連合会」の動きが広がっている。地域主体の災害時の協力は、不可欠である。
  10. 保育園の耐震補修工事は、仮園舎をまず建ててから本工事をし、内装などの工事も一緒に行っていく。大掛かりな工事のため、1年に1園のペースになっとぃる。仮園舎は、近い学校になることが多く、教育委員会の協力体制が不可欠である。
  11. シビックセンターは、建設後13年目である。中期修繕計画による費用は、15年目に73億3千万、30年目に158億8千万円の試算である。
  12. 戸籍情報システム経費(コンピューター化)が3億540万円計上。低層階の見直しと一体とし、総合窓口システム経費710万円、つまりワンストップサービスが実現する。これによって、4名の人員削減と窓口の待ち時間が半減される。システム開発は、多額な経費のため、金額が妥当であるかの判断が難しい。したがって、プロポーザル委員会では、外部のシステム評価の委員を活用している。
  13. 新年度で「B-ぐる」は研究会を発足するが、「小石川方面への路線拡大」と「既存路線の逆コース」は、区民の願いであるので、早急に検討されたい。
  14. 商店街振興組合が4つでき、今後は、「連合会」が発足すれば、「共通商品券」の発行という話も展開できるが、商品券については、初期投資が高額なので十分有効性を考慮しなければならない。
  15. 視覚障害者等情報支援緊急基盤整備事業」については、点字を読める視覚障害者が全体の1割程度という状況から、日常生活用具の音声読み上げ機を各家庭へ普及させることを求めた。さらに、行政情報発の際には、「SPコード化」を進めるように、さらに民間からの情報にも普及啓発を進めること。
  16. 新規に「心身障害児放課後居場所対策事業」は、7月から「槐の会」が事業者として「一時預かり」を始める。また、1育成室に3名が障害者の受け入れを行っている。障害者の親の就労が継続的に行える対策が必要である。
  17. 内部疾患障害者(文京区で6,000人)が外出する際の目印になるもの(バッチ等)を示し、電車内の携帯電話への配慮など広がる工夫が必要である。
  18. 「福祉センター」の建替えについては、現在協議会で議論がされているが、心身障害者のサービスを民間事業者が行うことから、建設の段階から東京都の補助金を使って建設したいと考えている。しかし、補助金の申請期限が毎年7月ということで、今年は無理なことから、来年の申請で最短で完成が4年後となる。したがって、協議会の議論も効率的に行い、一定期限を切ることが求められる。
  19. 保育園の待機児が20年度当初で、105~131人と予想される。さらに、定員数も平成17年までが1,800人台、私立の新設で18年にやっと1,900人台と区の積極的な努力が見られない。昭和50年代以降積極的な公立保育園新設の努力が見られないことは問題だ。この数年の保育園待機児数を見ると、ドラスティックに、早急に1~2園新規すべきである。さらに、地域的に待機児の多い、久堅・水道保育園については、分園などの方策で定員数を増やすべきと考える。
  20. 育成室(学童保育)も待機児が多い。現状で2室分不足していると見る。保育園からの子育て支援を継続的にする意味で、早急な対策を図られたい。
  21. 「妊産婦健診審査」は、現在の2回補助が14回に拡大したことは、大変評価する。しかし「受診票方式」は、本人が窓口で支払いがないことから、病院ごとの異なる健診内容(自由診療部分)から、健診が増えて、健診料金が加算され心配がある。必要以上に検査が多くならないように、また負担増加がないように医師会と確認していただきたい。また、核家族化から里帰り出産も多いと考えられる。その補助策も要望する。
  22. 「公衆便所」は、現在区内25箇所あり、維持管理経費が1箇所平均年間91万円である。障害者対応の整備が終了しているトイレが12箇所である。公園や神社など設置目的が明確にされているところは、グレードを上げて残し、道路上でタクシーの運転者しか利用していないような役割を終えたところについては、廃止してもいいのではないか。精査していただきたい。
  23. 「養護学園(岩井学園)」については、定数80人の1割程度の在籍から、19年度の総経費を在籍数で割ると一人当たり1,200万円もかかっている。このことから、20年度中に見直しの方針を決めていただきたい。さらに、職員についても在籍数に合わせて削減し、経費の節減に努められたい。

<特別会計の審議から>

  1. 「特定健康診査・特定保健指導」が新年度から始まるが、区民への周知を徹底し、混乱がないよう努めることを要望する。
  2. 「国民年金」については、若い世代が、就職の実態の変化から加入や脱退の出入りが激しく滞納きみになる。この対策として、保険料の納付は、コンビニ収納を始める。
  3. 「介護保険」については、人口増から、保険を払う人が約1000人増え、給付費が減少している傾向にある。今後の介護保険料の見直しに考慮される。
  4. これまでの老人医療から大きく変わって「後期高齢者医療制度」が4月から始まる。料金が決まってから区報で周知したところ、現在1日に40件の問い合わせがある。今後もきめ細かな対応を望む。
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