令和5年度予算要望
一、重点要望項目
- 新型コロナ感染症拡大防止策と両立させた経済活動と地域活動の支援を。
- 高齢者の健康維持と環境にやさしい暮らし方をめざした「ウォーキング大作戦」の展開を。
- 後期高齢者の増加に対応できる介護体制、また、介護従事者の人材確保と処遇改善を。
- 区民要望の強い千石・大塚・白山の交通不便地域にB-ぐるを早期に走らせること。
- 災害時の避難所でもある学校施設のバリアフリー化(エレベーター設置等)を早急に進めること。
- 小石川図書館と竹早公園の一体的整備については、区民の意見を充分反映させ、早急に具体的な改築スケジュールを示すこと。
- 食育の観点と食習慣の形成のため、小中学校の「給食の無償化」を実現すること。
- 高校生までの「医療費の無償化」の早期実現を。
- 子どもの遊び場の増設や区民の一人当たり公園面積の拡充を図り、みどり豊かなまちづくりを推進すること。
- 区独自のデジタル人材の確保・育成、電子申請等のDXの推進による行政手続きのワンストップ化を。
二、分野別要望項目
1 子ども・子育て
(1) 子どもの健康維持
① 高校生までの所得制限なしの「医療費の無償化」を図ること。
② 新型コロナ変異ウイルスの感染拡大を防止するため、保育園・幼稚園・育成室等の保育従事者への定期的なPCR検査を行うこと。
③ タブレット学習・子どものスマホやゲーム機器等の影響で裸眼視力1.0未満の子どもが幼小中高で増えているので、区内医療研究機関と連携し、目の健康を守る取り組みを行うこと。
(2)待機児童対策
① 保育所の入園については、より保護者の希望に沿えるよう方策を講ずること。
② 全ての区立幼稚園・保育園の認定こども園化(0歳児~)を進めること。
③ 幼児教育・保育カリキュラムに基づく質の高い幼児教育と保育を、区内全ての就学前児童教育・保育施設で確実に実践すること。
④ 園庭のない保育園対策として、子どもの遊び場を早急に増やすこと。
(3) 困難を抱えた家庭と子ども支援
① 子ども宅食プロジェクトは、子どもの数に対応した支援を行うこと。
② 家庭による教育格差をなくすため塾代助成の対象年齢の拡大を図ること。
③ 新たに“文の京こども弁当”を区内飲食店で考案し、子どものいる家庭や育成室等に安価で販売できるしくみをつくること。また、飲食店支援にもつなげること。
④ 児童相談所の開設に向け、計画的な人材確保・育成を続けるだけでなく、困難を抱える子どもを支えるチーム体制を構築すること。
(4)障がい児支援
① 障がい児・医療的ケア児の幼稚園・保育園入園相談等のサポートを拡充すること。
② スターティングストロングプロジェクトは公私立ともに区内すべての就学前児童預かり施設での実施をめざすこと。
③ 学習の土台となる記憶・知覚・言語理解・推論等の認知機能を底上げさせるための認知機能トレーニングを区立小中学校で導入できるよう研究を始めること。
(5)病児・病後児保育
① 病児・病後児保育の地域偏在を解消するため、都立大塚病院との連携等により早期に新設すること。
② 問診・予約・キャンセル等が、迅速かつ効率的に行えるよう、利便性の高いオンライン予約システムを開発すること。
2 教育
(1)新しい教育モデルへの対応
① GIGAスクール構想の確実な実践に向け、教員の指導力向上のための研修とICT支援員を増やし、全校に週5日配置すること。さらに、家庭学習の格差是正に努めること。
② ICT等を活用した個の能力に合わせた双方向の教育を行い、児童生徒の英語力やプレゼンテーション能力向上に繋げること。
③ 不登校児童生徒のための文京区立オンライン小学校・中学校を創設し、できることや長所を伸ばす教育を図ること。
④ スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー、学校図書館司書の専門性が生かされる教育環境を整えること。
⑤ 学校間格差を是正するために情報端末から学習定着状況等のバックデータを教育委員会が収集・分析しフィードバックする仕組みを作ること。
⑥ 個が輝くためのギフテッド教育の導入をめざすこと。
⑦ 文京区のこども「博士ちゃん」を発掘し、発表の場を設けること。
⑧ 児童数の推移を早めに把握し、教室対策を行うこと。
(2)食育・健康教育
① 食育の観点と食習慣の形成のため、小中学校の「給食の無償化」を実現すること。
② ICT教育やeスポーツ等が、児童生徒の視力の低下に繋がらないよう対策を講じること。
(3)青少年育成
① 都型学童や民間学童クラブの積極的な誘致による新規増設で育成室待機児童対策を行うこと。
② 大塚地域活動センター跡地に「小石川青少年プラザb-lab」を新設し、「Z世代×サステナ文京プロジェクト」の活動拠点にすること。
(4)特別支援教育
① 特別な支援が必要な児童生徒が、すべての学校に通えるよう環境を整備すること。
② 友人の個性を互いに認め合い、他者を思いやる心を涵養し、自然と合理的な配慮ができるような「インクルーシブ教育」を実践すること。
3 健康・福祉
(1)感染症対策
① 感染力の強い変異ウイルスが流行拡大しているため、保育園・幼稚園・小中学校・育成室の教職員等に定期的な検査を行うこと。
② り患者と家族の不安に応えられるよう相談体制の強化を図ること。
(2)健康づくり
① 特定検診事業は、平日夕方(18時~19時半)にも実施し、受診率向上を図ること。
② 介護保険料及び国民健康保険料が上がりすぎないよう対策を講ずること。
③ がん検診は希望する区民が利用しやすい体制に改善すること。
④ 更年期や女性特有のがんの知識対策などを強化すること。
(3)高齢者福祉
① 高齢者のウォーキングと商店のポイントを繋げ、相乗効果を図る事業を展開すること。
② 好評の高齢者あんしん相談センターを今の4圏域から地域活動センターと合わせた9圏域とし、さらに相談機能を充実させること。
(4)障がい者福祉
① 手話言語条例を早期に制定すること。また、意思疎通の促進に関する条例や障がい者差別解消条例の制定にも着手し、心のバリアフリーを進めること。
② 老朽化が進みバリアフリー不完全な、社会福祉法人文京槐の会「は~と・ぴあ」の改築を早期に行うこと。
③ 障害の有無による情報格差をなくすため、公報など障がい者対応の迅速化を図ること。
④ 障がい者グループホームの増設を加速させ、地域生活を支援すること。
(5)生活福祉
① 社会的孤立を防ぐため、孤独・孤立を社会全体の問題としてとらえ、各部署の連携を強めることで、早期発見と地域の見守りの強化を図ること。
② ひきこもり支援センターの支援員の研修を充実させ、不登校や8050問題、障がい者の親亡き後生活の支援などに寄り添った支援を行うこと。
③ ヤングケアラーを早期に発見・支援するために、地域の方が情報を寄せやすい周知を行うことと、関係者の連携強化と知識の啓発に努めること。
4 産業・コミュニティ
(1)産業振興
① コロナ禍においてもがんばっている中小企業や商店の経営基盤を安定させるための側面的支援を図ること。
② 専門の経験やノウハウを有する優秀な人材を中小企業や商店に派遣できるよう、早期に
「キャリアセンター」を創設すること。
(2)コミュニティ
① 地域ニーズを集約し、複合化も視野に入れた千駄木・白山交流館の建て替えを計画すること。
② 江戸川公園の花まつりを加えた花の六大まつりにすること。公園内だけでなく、飯田橋・御茶ノ水方向の神田川沿いに桜を植樹し、江戸時代の風情を復興させること。
5 文化・芸術・生涯学習・スポーツ
(1)文化・芸術振興
① 学芸員の採用・育成の強化を図り、キャリアパスを整備すること。
② シビックホール改修後は新しい時代にあった文化芸術事業を展開すること。
③ 区民の芸術体験機会を増やすため、動画配信やアウトリーチなどを続けること。
④ 芸術鑑賞等、子供たちの体験機会の拡充を図ること。
(2)生涯学習
① 全ての図書館にICタグを早急に導入し、自動貸し出し機を設置すること。貸出カウンターと返却ポストの増設、全館に書籍除菌機を設置すること。
② 図書館閲覧席の予約システム導入と区民会議室や交流館、地域アカデミー等の空き室利用のしくみを構築すること。
(3)スポーツ振興
① 文京区には講道館・東京ドーム(野球殿堂博物館)・日本サッカー協会などが集積するスポーツの聖地であるので、「区民ひとり1スポーツ」を目標に事業展開を図ること。
② 生活習慣の中に楽しくスポーツを取り入れられるよう、健康推進課・健康センターとスポーツ振興課の連携を進めること。
6 まちづくり・環境
(1)まちづくり
① 春日・後楽園市街地再開発の完成に合わせ、東京ドーム・シビック周辺エリアの新しいまちづくりビジョンを再構築すること。(飯田橋~東京ドーム~春日後楽園市街地)
② 後楽園駅からシビックセンターをつなぐ屋根付きのペデストリアンデッキ設置を早期に実現すること。
③ 後楽二丁目再開発は諏訪神社を中心としたコミュニティ広場を創出すること。
(2)バリアフリー化
① 公共施設の新築改築の際には、必ず、様々な障がい当事者のモニターチェックを行うなど、バリアフリーとユニバーサルデザインをさらに展開していくこと。
② シビックセンターから区民センターまで地下でつながるコンコースを創設すること。
(3)公園
① 公有地の有効利用や民間遊休地の活用により、ボールが使える子どもの遊び場の増設と児童遊園のリニューアル工事のスピードアップを図ること。
② 音羽パークロードのような土地活用を行い、児童遊園を増やすこと。
(4)自転車
① 自転車利用の多い区民のために、自転車損害賠償保険加入をさらに推進すること。
② 自転車専用レーン上の駐停車により自転車が車道側によける必要がない「自転車歩行者道」か、物理的に車道と分離された「自転車専用道」を設置するよう国や都に申し入れること。
③ 使い勝手のいい平置きの「一時利用自転車駐車場」を増設すること。
④ 自転車駐輪場の「定期利用制」使用料は、隣接区との整合性を図り、再算定を行うこと。
(5)環境
① エシカル消費への理解啓発をさらに進めること。
② 可燃ごみとして捨てられる衣類を減らすため、民間の店舗等、回収拠点を増やすこと。
③ プラスチック容器の分別と資源化に区民が参加しやすい体制を整えること
(6)道路・交通
① 巻石通りの無電柱化工事の期間を短縮し、工事期間中は、利用者や住民の安全通行を図ること。
② 区民要望の強いBーぐる第4路線(大塚・白山・千石)を早期に運行すること。
7 防災
(1)災害対策
① 災害時要支援者の実態把握と地域の支援が実践的になるよう訓練を行うこと。
② 不燃化特区対象地域の建て替え・除却をさらに推進すること。
③ 崖地改修や耐震補強工事等の助成を進め、防災に強いまちをつくること。
④ 自助の意識を高め、一般家庭の防災備蓄を徹底するため、ローリングストック等の啓発活動を強化すること。
⑤ ドローンを活用した情報収集の体制を確立すること。
⑥ インフラ事業者(電気・ガス・水道・鉄道・バス等)との連携を密にし、訓練や維持管理の状況等についての情報交換を定期的に行うこと。
(2)水害対策
① 近年の気候変動により、頻繁に起きる豪雨対策として、科学的な想定に基づいた水害対策を確実に行うこと。
(3)避難所
① 全ての避難所を対象に、感染症に対応した避難所運営マニュアルの説明会(オンラインを含む)を開催すること。
② 一般避難所での避難が明らかに困難な要支援者については、福祉避難所への直接避難ができるしくみを早急につくること。
③ ペット同行避難や初期の衛生管理等、各避難所の特性に合わせた避難所運営マニュアルを策定すること。
(4)危機管理
① 区民が年1億円以上の被害に遭う、特殊詐欺対策を強化すること。
8 ダイバーシティ
(1)ジェンダー平等
① 改正育児・介護休業法に基づき、男性職員の育児休業を取得しやすい環境整備を図るだけでなく、区として義務化をめざすこと。
② 総合評価落札方式のポイントについては、セクハラ・パワハラ・マタハラ・SOGIハラ等のハラスメント防止対策、障がい者への合理的配慮が算定されるようにすること。
③ パートナシップ宣誓受領証を活用したLGBTの方の生活支援事業を拡大すること。
(2)国際化
① 在住外国人が文京区で住みやすいよう多言語表示等に取り組むこと。
② 様々な難民支援機関と連携して、難民への理解を深める事業を増やすこと。
③ ウクライナ避難民への支援を継続的に行うこと。
9 行財政運営
(1)行財政改革
①「B+」を活用した先進的な施策を積極的に打ち出すこと。
② 区独自にデジタル人材を確保し、電子申請等DXを全庁的に進め、行政手続きのワンストップ化とペーパレスの進捗状況の見えるかを行うこと。
③ 中央大学茗荷谷キャンパス内に期日前投票所の新設すること。
④ 使用料・手数料等の負担軽減と不公平を是正すること。
⑤ 公契約条例を制定すること。
(2)公共施設マネジメント
① スポーツセンターと総合体育館から離れている地域には、区立学校のプールを温水化し、区民利用を図ること。