11月7日(土)

■ 上海市内を見学

開発が進む金融・経済中心(上海浦東新地区・陸家嘴金融貿易中心区)のエリアは、超高層ビル群。

街の公園は、市民が憩える場として、カラオケや凧揚げが行われていました。(万博歓迎の旗)

万博の旗を掲げて、開催準備に街はどこも工事中、道路もきれいに整備されています。

夜の繁華街、欧米資本の店も増えて活気に満ちています。上海のエネルギッシュさを感じます。

上海の街を見て回りました。私が滞在する「上海環球金融中心」地区の再開発地域、観光エリア、住宅地と地区がはっきり分かれていて、建物の高さなどの規制も厳しく指導されています。私が、3年半前に訪れた時と比較して、まちの景観や清潔感が改善されたように思えます。

■ 上海市との交流会

上海市人民対外友好協会常務理事 奚家騏氏

上海市人民対外友好協会 高立軒氏

上海市人民対外友好協会(上記写真のお二方)と日中発展協会副会長・上海大学・慶応義塾大学法学部客員教授 王祝氏にご同席頂いて、日本と上海の友好、文化の違いなどについて意見交換をしました。奚氏が、日本を何度か訪問されて感じた点は、 ①日本商品の品質の高さ、安心して購買できる。 ②交通ルールを守るなど規律正しさ。 ③衛生面でかなり良好(トイレなど)でした。 さらに、来年5月開催の上海万博を控えて、街や交通網の整備、迎える上海市民の育成を急ピッチで進めているご苦労を伺いました。私は、上海のエネルギッシュな開発や万博への準備など発展し続ける都市を感じました。中国と日本のよい点をお互いが学び、友好関係が図れることを切望するとお伝えしました。

11月8日(日)

■ 上海の街づくりと「上海環球金融中心」ビル建設有限公司との交流会

森ビルにて、上海の都市計画について、上海タワー建設までの経緯をビジュアルに見せて頂きました。(30分の1の模型の前で)

私が「高さ制限は無いのですか?」と伺うと「この地区は、むしろ400m以上のビル建設を要請される地域になっています。」と説明を受けています。

森ビル現地法人社長 吉村明郎氏に、東京都と上海市の都市づくりの考え方の違いや上海タワー建設の経緯を伺いました。

訪問団、現地法人、森ビル方と記念写真です。 写真前列中央は、訪問団長 北川正恭氏(元三重県知事・早稲田大学大学院教授)です。

<森ビル現地法人社長 吉村明郎氏のヒアリング> ◎近年の上海都市づくりの経緯と特徴 ・上海は、バイタリティーや可能性に満ちた都市で魅力的である。 ・「上海スピード」というように、都市づくりに時間をかけないで進行する。 ・1993年、テレビ塔の工事1994年には完成。この頃、ビルはテレビ塔位しか建物は無かった。雨が降ると冠水し、インフラが大事と痛感した。 ・その後、インフラ整備が急ピッチで進められた。95年の地下鉄南北線から、来年の2010年には11号線が完成する。なんと15年間で11本の地下鉄(総延長距離400km)ができる。 それに比べると、東京は、1号線の銀座線ができたから70~80年経っても、まだ300kmと、上海の速さはすばらしい勢いだ。 ・96年~97年に、新空港完成、98年森ビル1号完成 ・2001年にリニアモーターカーの建設、2002年に運行を開始。(時速400km音速モノレール) ・99年に地下鉄第2号線完成 ・世紀大道や環状線道路も整備が進み、2001年の「エーペック」開催までに100m道路 全長5kmを完成させた。 ◎「上海環球金融中心」上海タワー完成までの経緯 ・森ビルは、93年に中国に着目して大連から事業を開始した。上海も魅力的な都市として検討していた敢闘した。その頃、政府主導の上海市開発プロジェクトがあり、国際的な金融貿易センター建設予定があった。森ビルの海外事業計画とベクトルが一致して、「上海環球金融中心(ワールドファイナンシャルセンター)」の建設計画がスタートした。 ・92年から計画、93年から再開発が始まった。上海中心地は山手線の内側と同じ面積の開発が始まった。 ・上海森ビルの建設地は、特別な再開発地域で、高さ200m級の建物が河側に、バックに400m級の建物とスカイラインを合わせるように都市計画が決まっている。 ・建設予定地では、3,500世帯の居住地域だったが、96年~97年のたった一年で代替地に移転させ、公園整備も進んだ。 ・97年~98年2,200本の剣山のような杭打ち工事が始まった。(河から流れる砂地のため) ・途中に、アジア通貨危機で経済が不安定のため、1年建設が中断されたが、階高を280cmにして計画見直し、再建設スタートした。 ・2008年、床面積 38万㎡ 地上101階、地下3階、建物高さ492mのビルが完成した。 ◎「上海環球金融中心」の評価 ・森ビルは、中国だけど良いものを造る姿勢で、地域を大事にして一体になって「本物」のビルを造り上げた。 ・上海市内の何処からでも見える「ランドマークタワー」になった。 ・地元上海市の方々に愛される建物になった。 ・100階展望台には、多い日で1万人も来場する。 ◎世界の都市間競争の中で東京の都市づくりは、どうあるべきか。 ・東京の欠点は、①英語が通じない ②国際空港の整備 ③企業にとって税金が高い。④都市整備に時間がかかる。など大きな課題を指摘されました。

11月9日(月)

■ 上海万博のヒアリングと建設中の現地視察

上海万博事務強調局で、万博の計画概要などヒアリングを受けました。

お話を伺った上海万博会事務強調局渉外担当部長 濮勤網氏と事務所の前で。

万博会場は広大な敷地なので、事務所屋上から全体を眺めて説明を受けました。(奥には中国館)

広い敷地内はどこも建設中のため、バス移動して説明を受けました。今年中に完成予定の日本館。

◎万博の概要 ・万博開催 2010年5月1日~10月31日(184日間) ・参加団体 242団体 (193カ国、49国際組織、55都市、18企業) ・会場は、元は、造船所、製鉄所の跡地、広大な敷地です。 ・会場敷地面積は、全体で5.28k㎡、内3.28K㎡を有料に。 ・入場料160元(日本円で約2,000円)一般の中国国民には、高い入場料なので工夫を要する。  また、一日ではとても見られないので、複数回の入場誘導を現在検討中。 ・来場者数 目標7,000万人、(一日の来場者数 40万人~60万人) 1970年の大阪万博の6,400万人を超したいとの目標。 ・開催中は、5~7万人のスタッフ、45万人のボランティア、 ・上海は、日常的に国際会議などあるので、特にホテルは増設しないで対応する。 民家のフレンドシップ制度を導入して、242カ国の方と地域交流を推奨する。 ・中国政府と上海市の補助金や総事業計画を質問したが「わからない」との回答。(青天井予算?) ◎渋滞や混雑が予測されるための対策は、自家用車を避けるために、 ・地下鉄4本の乗り入れ建設中 ・トンネル2本建設中 ・河からの交通手段 ・シャトルバスの運行予定 ◎終了後の跡地活用は ・中国館、万博演芸センター、テーマ館、万博軸(メインロード)は、開催後も残して上海のセンター的役割として活用して予定だそうです。

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