2017年2月定例議会 本会議一般質問<最終原稿> ■ ぶんきょう未来 品田ひでこ

「ぶんきょう未来」の品田ひでこです。会派を代表して一般質問を行います。

1.文京区オリジナル事業の提案

① 区制70周年記念事業について

初めに、文京区制70周年、誠におめでとうございます。これまで、先人たちが文京区の発展にご尽力され、そのご功績によって今の文京区があることに改めて感謝申し上げます。

さて、その記念事業の一環として、私の提案した「原動機付自転車の文京区オリジナルナンバープレート」、また「オリジナル婚姻届書・出生届書」及び「命名書」が出来上がり実現しました。1月から実際に区民の皆さんに交付やご利用を頂いているとのこと、提案者としては本当に嬉しく、愛用して頂くことを願っています。そこで

<質問1> 新年にスタートした「原動機付自転車の文京区オリジナルナンバープレート」「オリジナル婚姻届書・出生届書」の交付状況や区民の評判をお聞かせください。

② 20歳までの母子健康手帳に

次に、ご当地オリジナルシリーズ、品田ひでこの提案第三弾です。

 それは「母子健康手帳」の最新版です。前回の一般質問で、「母と子の保健バック」のファイル化を提案し、出生時からの保健指導を含めた取り組みの一元化を要望しましたが、検討は進んでいるのでしょうか。

 その後、「母子手帳」も各地で大きく変化しています。

 例えば、神奈川県ではICTを活用して、個人のお薬情報や健康情報を一覧で「見える化」できる「マイME-BYO(みびょう)カルテ」の取組みを進めていますが、その一環として、お子さんの予防接種や健診データ、子育て日記を簡単に記録できるアプリ「電子母子手帳」を提供し、ビジュアル化が好評です。またこのアプリを通じて「乳幼児健診」や、親子向けのイベント情報などを連携する地元の市町の情報も配信します。アプリは、神奈川県民は誰でも利用でき、実家の祖父母とも共有できるそうです。

 さらに、元々の紙ベースの「母子手帳」にも革新が起きています。ほとんどの場合6歳までの仕様になっていますが、一般社団法人「親子健康手帳普及協会」が作成した母子手帳は20歳まで記録し続けることができます。手帳の本来の目的は、体調が急激に変化しやすい妊産婦や乳幼児のために、妊娠や出産の経過、乳幼児の発育や発達状態を記すためのものです。それに加え、健診や予防接種などの有無が記録でき、各年齢による育児アドバイスも載っています。年齢を重ねると病気やケガもあります。インフルエンザをはじめとした予防接種を受ける機会もあります。これまでの病歴を記しておくことは必要です。 「あれ、いつ麻疹になったっけ?予防注射受けたっけ?」などと忘れないように、大人になるまでの大切な記録です。そして、成人式に「これからは、自分で健康管理するのよ」と本人に渡してあげれば、親子の絆が深まり健康面の自立を促します。この手帳は、現在大変人気で入手が困難だそうです。そこで

<質問2> 現在の文京区「母子健康手帳」を「文京区オリジナル20歳までの母子健康手帳」最新版にすること、内容を充実すること、さらに電子版の検討を提案しますが如何でしょうか。

 

③ 地域PR動画作製

次のご当地提案は、「文京区オリジナルPR動画」です。

 かつて、自治体がPR動画を作成してアクセス数が多かった函館市をはじめ、各自治体で「ゆるきゃら」同様にPR動画の作製が盛んです。「自治体ラップ」まで登場し青森県、愛知県、岐阜県、福生市で配信され、市長自ら出演するなど人気を呼んでいます。

 今や動画配信は当たり前、無名なキャラが一気に全世界の人に注目される時代です。 区のPRビデオは、5年前に作製された日本語版の他に英語版、中国語版、韓国語版と準備されていますが、外国からのお客様用やHP等の利用で、認知度が低いようです。

 そこで、文京区のオリジナルPR動画を区民や子ども達にも自由に創ってもらいましょう。行政がつくるビデオはお堅い感じになるので、特に中高生・大学生の柔軟な発想で、文京区の魅力新発見に期待します。本格的な機材や台本が無くてもスマートフォンなどで気軽に撮影し、2~3分の作品の応募もできるようにします。

 目的は、

① 区民に文京区の魅力と愛着を一層持ってもらう。文京区をより知るきっかけにする。

② 2020年東京オリンピック・パラリンピックを見据えて、文京区の魅力を全世界に向け発信する。

 その手段として、今の「写真コンテスト」に加え「動画コンテスト」も開催しましょう。優秀作品は、区の公式HPだけでなく、民間でも映像を映して頂き、ネットで世界に向け発信するPR作戦です。きっと成澤区長の乗りの良さも期待できます。

<質問3>区民や子ども達が作製する「文京区オリジナルPR動画」と「PR動画コンテスト」さらに「世界に向けて発信する戦略的な取り組み」を提案しますが如何でしょうか。

④ 外国人向け体験型観光と交流

次に、観光行政をさらに発展させた提案をします。

 インバウンドの増加に伴い、文京区の観光名所を観て、文京区のお土産も外国人のお客様に是非買って頂きたいものです。

 今年度の総務区民委員会の視察は、金沢市の観光行政と観光ボランティアの事業展開でしたが、金沢の文化芸術を伝承することと、新たな視点を盛り込んだ画期的、かつ戦略的な官民挙げての取組みは学ぶところが大でした。特に外国人向けの観光では、日本文化芸術を観るだけでなく「体験型」も加える事業に注目しました。

 文京区の平成29年新年度予算では、

① 日本古来の「能」を区内の能楽堂で知って頂く事業

② ゆかりの文人を若い人や外国人にアニメ化して発信する「サブカルチャーによる観光資源の魅力発信」事業、の展開に期待しています。

 しかし、花の五大まつりの会場で行われる茶道・琴の演奏などのおもてなしを、観光名所で年間を通して、国内外のお客様に体験して頂きたい、そして日本の文化芸術を推進している文京区社会教育団体に活躍して頂き、運営していくことは可能と考えます。

<質問4> 「歴史と文化の街」文京区にふさわしい観光名所での「日本の文化芸術体験型事業」を展開することを提案しますが如何でしょうか。

⑤ 観光ボランティアの新たな取り組み

文京区では、観光ボランティアの育成や観光名所を解説案内して頂くなど、区民の献身的な力が活かされています。そのメニューに加えて頂きたい提案があります。

 それは、昼間区民の自宅に外国人を招いて、和食ランチや日本のお茶会をしていただくという企画です。その理由は、民泊やホームスティは、尋ねる側も受け入れる側も、両方にとってハードルが高いからです。

 最近、日中3-4時間の滞在・体験型で日本の文化や暮らしを味わってもらうことが、外国人に人気を博しています。食事代2-3千円程度は外国のお客様の負担で、自宅を開放しての気軽な受け入れとおもてなしです。登録・あっせんには、両方の信用の点で最初は行政が関わり、観光協会で運営をお願いするのが良いと思います。

<質問5> 外国人向け「日中、文京区民のお宅で日本おもてなし体験型観光」を提案しますが如何でしょうか。  

2.巻石通りバリアフリー整備計画に無電柱化を

①音羽通りの南・江戸川橋側の無電柱化を

今年度「巻石通りバリアフリー整備計画」が明らかになり、昨年8月と11月にそれぞれ2回、沿道や近隣住民対象の意見交換会が開催され、私も出席しました。

 まず、この道路の課題や区民の不満に思うことは次の点です。

<歩道の利用>

① 歩道が狭い

・一番狭いところは幅員93㎝、1人歩くのがやっと

・車いすや傘をさすとすれ違えない箇所が多くある

② 傾斜がきつい、歩道が波打っている

・道路の高低差があり、勾配が10%近くある箇所が多く、斜めになって歩いている

・車いすを押すのがとても困難である

③ 電柱、看板などの障害物があり歩きにくい、などです。

<車道の利用>

① 自転車で走りにくい

② 路上駐車が多く走行しにくい

③ 傾斜がきつい

といった具合で、近隣住民とこの点は共有できています。

 私は、小学校の時に沿道に住んで以来その後もずっと近隣に住み、巻石通りは暮らしに欠かせない生活道路です。私の知る限り、半世紀以上に渡り部分的な改修はあったものの全面改修はなく、計画を知ったときは「やっと直る」と感激しました。

 沿道に総合福祉センターができました。2つの特養ホームも建設中、何としてもこの通りを「人に優しいバリアフリーの安心安全な道」にすることを切望します。

 さらに、意見交換会は、議員から細部の改善点を区側にお伝えする場ではないことから、昨年末に近隣議員と建設委員会委員とで、実際に歩きながら改善個所や不便な所、安全性に欠ける点を確認して、同行頂いた土木部課長職員に伝えました。

 区の計画は、平成29年度に工事設計、庁内で設計するとのこと、この点は評価します。実際の工事は、平成30年度~37年度で、全長1.4㎞を1年に200mずつ8年かけて改修する予定です。しかし8年かけても物理的に考えて、歩道の安全性や2mの幅員がどこまで改善するか疑問です。意見交換会でも「折角全面改修するなら、将来的に考えて電柱を地中化してほしい」と強い区民の要望が多くありました。

 調べてみると最近の「無電柱化」の工法は、

① 直接埋設でコストが1/3、工期も短縮。

② 道幅が狭くても軽量化で住宅地でも進んでいる。とのことです。

 さらに、東京都の平成29年度予算は、「無電柱化、区市町村に支援強化」「区市町村の負担軽減、初期費用の全額補助」と小池都政新年度予算の目玉事業でもあり、力強い後押しが期待できます。

 今でも斜めに立っている電柱が、大規模地震で倒れたら、区の西側・南地域の大事な幹線区道の機能が全く失われます。現計画に少し時間をかけても、巻石通りの機能を将来にわたって完璧にすべきです。

<質問6> 巻石通りバリアフリー計画に、東京都の支援を頂いて、大規模地震対策とバリアフリー度をさらに高めるため「無電柱化」を加えることを強く求めますが、区長の積極的な決意を期待しお答えください。

3.子どもの遊び場や子育て支援の拡大について

① 園庭のない保育園対策と屋外子育て広場の拡大を

 前回の私の一般質問の提案から、「六義公園と後楽公園少年野球場の平日利用で、屋外子育てひろば」が実現に至りました。早期の実現に感謝申し上げます。

 まだPR不足の点や十分な周知、雨の日対策などが必要と考えますが、

<質問7> 初年度の「あおぞらすくすく広場」「親子すくすく教室」の利用状況と評価、今後の改善点をお聞かせください。

 また、園庭のない保育園対策として、屋外の小さい子どもが安全に遊べる場所の確保が求められます。杉並区では、比較的大きな公園を選び、大きな子どもとぶつからないように1画をフェンスで区切りクッション性のある舗装や小さな滑り台設置など3カ年で14か所の整備予定です。

 文京区の江戸川公園東側では、トイレの移設、植栽の整理により、狭いながらも広場と遊びスペースの整備計画が予定されています。早期の決定を大変評価します。

 しかし、毎年認可保育園が数園ずつ新設されていることから、もっと区内公園でも遊び場を順次整備すべきです。

<質問8> 区内の公園に「園庭のない保育園対策」と「乳幼児が安心できる遊び場」を積極

② 区民会館や子育てひろばの有効活用について

さらに、子育て支援の環境整備を推進する方策として「区民会館」の利用拡大を提案します。

 区内の区民会館は、午前中が約30%、午後が約50%の稼働率です。近年区民会館の新規開設が進む中にあって、大変もったいない状況と私は指摘しています。「こまじいのうち」の様子をみても子育て中の若いママが自然と集まっています。

<質問9> 区民会館の有効活用を「コミュニティインフラ」と整え、「子育てひろば」「高齢者のサロン」を復活すべきです。運営は、文京区社会福祉協議会にお願いするのも可能です。この取り組みの提案は如何でしょうか。

 さらに、既存の「子育てひろば」の利用は、汐見、江戸川橋を除き、土日休日は閉館です。特に土曜日の開館を求める親の要望が多くあり、父親が子連れでたくさん来てパパの仲間づくりの場になっています。

 休日開館への先駆的な事例は横浜市にあります。施設の有効利用と休日でも親子で使えることは、実に有意義な取り組みです。

 今回、平成29年度予算に「地域団体による地域子育て支援拠点事業」が計上されています。この活用はチャンスです。

<質問10> 「子育てひろば」の休館日の土日祝日の利用を拡大してください。その実践には、新年度の「地域子育て支援拠点事業」を活用して、閉館日の「子育てひろば」の施設を子育て支援協力団体に貸し出し、運営を委託する方式で行うことを提案します。普段と違う新しいプログラムも期待でき、父親の育児参加も進みます。この提案は如何でしょうか。

4.B‐ぐるの4路線化・バスターミナル設置により、区内を隈なく行ける路線に

最後に、私が強く訴えている「B‐ぐるの4路線化・バスターミナル設置により、区内を隈なく行ける路線に」の検討状況を伺います。2015年11月の一般質問で、

・区内を4つのエリアに分けて4路線にし、1周を30分程度で周期する。

・シビックセンターか東京ドーム周辺に「バスターミナル」を設けて、他の3路線に東西南北自由に乗り換えるコースを再編成する。

・区内を隈なくどこへでも行ける、短時間で移動できるようにする。 と強く訴えました。

 区長答弁は「一つ一つ慎重に検討して考えを示す」で、そのまま1年3か月が経過しました。

 平成29年度予算でやっと「B-ぐる運行の分析委託」として911万円が計上されていますが、ただ漫然と調査してもアウトカムが実現できません。

 そこで、分析調査に当たっては、次の点を是非考慮していただきたい。

① 総合福祉センター内へ乗り入れを可能にする

② JR飯田橋駅舎の改良工事が始まり、今より南側に移設されることから、JR飯田橋駅に接続できるバス停の設置を求める。 /p>

③ 高齢者の利用拡大や、高齢ドライバー事故防止の運転免許の返納を進めるために、無料利用の拡大を検討されたい。高齢者のお出かけを増やし、介護予防に効果がある。

④ 利用者の要望第一位は、一方通行でなく、両方向の運行。20分間隔運行の短縮。利用者拡大を狙うには、せめて金沢市のように15分に1回の運行間隔にすること。

⑤ 車が無くても暮らせる日常を創りだす。 など区民から寄せられる要望を活かし、目的のためのアンケート調査にすべきです。

<<質問11> どのように路線拡大やバスターミナル化を進めるための実態調査と利用者アンケートになるのか、その目的を明確にお示しください。

 さらに、最近の区の施設整備の進め方を見ると、紛争やトラブルが発生し、区民が不信感を持ちながらも区の計画通りに進めることが多々あるように見受けられます。また、それによる工事延期など社会的な損失が視られ心配しています。

 そこで、社会基盤整備に今注目されているのは、「PI(パブリック・インボルメント)」です。これは

① 交通施設整備に当たって事業主体が計画の初期段階から積極的に市民の意見を聞き、それらを取り入れ努力をしていく

② 計画決定段階においても市民が関与する

③ 市民に計画を委ねるが、責任は行政にある といったやり方です。

<質問12> 今後のB-ぐる再編成においては、PI(パブリック・インボルメント)方式を用いて、区民や利用者を巻き込んだ運行計画になるよう強く望みますが、見解をお聞かせください。

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