2017年9月定例議会 本会議一般質問 ■ ぶんきょう未来 品田ひでこ
「ぶんきょう未来」の品田ひでこです。会派を代表して一般質問を行います。
はじめに、この夏は「九州北部豪雨」をはじめ北陸・東北地方など各地に豪雨被害が発生しました。亡くなられた皆様にはご冥福をお祈りし、被害に遭われた方々には、謹んでお見舞い申し上げます。文京区は、積極的に豪雨被災者支援を行うようお願いいたします。
1.がん撲滅のための対策について
①健康都市宣言 がん対策推進条例の制定
毎年新たにがんになる人が、驚くことに年間100万人と言われています。 文京区のがん検診に、今年度(平成29年度)、50歳以上を対象に隔年で胃癌内視鏡検査が加わりました。これは、区民の健康維持や生命を守る重要かつ有意義な政策であり、区民として嬉しいことです。 がん検診が拡大される一方、自治体ががん対策条例を制定する動きも進んでいます。
① 北海道では、平成24年4月から「北海道がん対策推進条例」が施行されています。
② 松前郡福島町では、この条例を受け、国のがん対策基本法の趣旨を踏まえて平成27年町独自の「福島町がんなんかに負けない基本条例」を制定し、がんに対する普及啓発を深め、がんの検診率の向上を目指すことで、「町民誰もが“がん”で家族を亡くして、悲しむことがないよう努めてまいります。」と宣言しています。
③ 日野市では、「がん対策推進基本条例」が平成24年に制定され、市の責務、市民の役割、保健医療関係者の役割、事業者の役割を明記して市全体で取り組んでいます。
近年、医療の進展に伴い、がんは不治の病から治る病気へと変化してきて、予防による早期発見・早期治療により命を救うことができます。今以上にがんから区民を守る対策を講じるべきです。 文京区は幸いなことに、地元には大きな病院や優秀な医師会があります。この恵まれた医療環境をもっと活かした「がん撲滅」のための戦略的な事業展開を図るべきです。 文京区のがん対策の目的は、「がんに罹患させない。早期発見・早期治療でがんから区民の命を守ること」です。
<質問1> 文京区を「健康都市」に宣言し、「がん対策推進条例」を制定する。がん撲滅に積極的に戦力的に取り組むべきと考えますが、区長のご見解を伺います。
それでは、具体的な取り組みを提案していきます。
②乳がん検診の無料化について
②乳がん検診の無料化について
最近私の周りで何人か乳がんに罹っています。日本では、年々増加し毎年約7万人が乳がんに罹りその割合は11人に1人、女性が罹患するがんの第1位になっています。
乳がんになりやすい年齢をみると、30歳代後半から増えてきて、40歳代後半にピークがあり、70歳を過ぎてもそれほど減りません。
◎最近の乳がん検診の状況を調べてみました。
40歳以上の女性に対してマンモグラフィ検診を行うことにより、乳がんによる死亡の危険性が減ることが証明されています。このため現在、40歳以上の女性に集団検診としてマンモグラフィ検診が行われています。しかし、一部の乳がんはマンモグラフィで写し出せない場合があることも知られており、マンモグラフィ検診を受けていれば万全ということではありません。
現在、その有効性を調べる全国的な研究の解析が進んでいて、その結果40歳代の女性で超音波をマンモグラフィと併用するとマンモグラフィ単独より多くの乳がんがみつけられることがわかってきています。
また近年、「デンスブレスト(高濃度乳腺)という考え方が提唱されています。乳腺濃度が高いためにマンモグラフィで「白く」写る乳腺のことです。一般に日本人は欧米人と比べて乳腺濃度が高いために高濃度乳腺の比率が高いといわれています。
高濃度乳腺の問題点は大きく2つあります。
・1つはマンモグラフィ検査ではがんも「白く」写るため見つけにくいこと。
・もう1つは高濃度乳腺の人は、がんの発症リスクが高いことです。
自分自身の乳腺濃度を知ることは大切で、米国ではマンモグラフィを受けた本人に乳腺濃度の情報を提供するように法整備が進んでいます。
さらに、過日タレントの小林麻央さんが乳がんを患い、強い意志で闘病生活を送られたブログが注目されましたが、残念ながら34歳の若さで亡くなられました。大変ショックなことで、30歳代も死に至る乳がん、区の検診は40歳からで問題はないのでしょうか。
◎一方、文京区の最近の乳がん検診の状況は
受診者数 | 受診率 | |
平成24年度 | 4,105人 | 18.5% |
平成25年度 | 4,267人 | 17.9% |
平成26年度 | 4,775人 | 18.7% |
平成27年度 | 5,841人 | 23.2% |
平成28年度 | 5,539人 | 24.5% |
このように受診者数は増えていますが、受診率は20%台です。関心がないわけでもないのに受診率が増えない理由の一つに「受診料1,000円の自己負担」があり、「無料にしてほしい」という区民要望が多いそうです。
さらに本年3月の「文京区健康に関するニーズ調査報告書」によると「がん検診を受けなかった理由」に、30歳代女性の29.0%が「費用がかかる」と答え、大きな割合を占めています。
区では、これまで特定健診や各種のがん検診は、大腸がん検診40歳以上、胃がん検診40歳以上、今年度から50歳以上2年に1回内視鏡検査が加わり、子宮頸がん検診20歳以上の方が受診できますが、全て「無料」です。
厚生労働省が2年に1回推奨している乳がん検診は、文京区では「検診料1,000円の自己負担」はなぜでしょうか。区がいう受益者負担の考え方は、どうして乳がん検診だけに適用されているのか疑問です。また、国の無料クーポンはありますが、今年度は41歳のみ限定です。
女性の罹患率が高い「乳がん」は、早期発見・早期治療で9割が治る確率が高いことに注目すべきです。区の優先課題は、受診率アップです。とにかく徹底的に受診して頂く環境をまずは整備すべきです。
<質問2> 文京区が2年に1回推奨する乳がん検診を来年度から自己負担料なく完全無料にすること。そして、超音波検査をマンモグラフィ検査と併用した検診にすること。さらに、受診対象者を現行40歳から30歳に引き下げることを強く求めます。区長の女性に優しい決断をお聞かせください。
③シビックセンターに「区民の保健室」を
先日シビックセンター3階にある「保健サービスセンター及び健康センター」にふらっと行ってみました。相変わらず入り口付近は、節電でしょうか薄暗い感じで、あまり健康的な雰囲気で迎え入れてくれません。その時は教室が開催されていたようで、事務室も真っ暗で職員もいなく、セキュリティーにも問題あるなと感じました。暫く居ましたが、誰も対応してくれず、受付横のポスター掲示を見て、各種パンフレットが無言で「どうぞお持ちください」と言っているようでした。
私だけでなく一般区民が健康のことや教室等問い合わせで、ちょっと立ち寄っても受付に人がいない時間があるようで、そのままお帰りなるケースがあるのだと実感しました。
また、私は先の「文京区健康に関するニーズ調査報告書」から驚いたことがあります。
① 保健衛生部の事業を6割の人は知らない
② 個別の「事業を知っているか」の問いに、「健康づくり栄養教室」が20.4%、「精神保健相談」が15.0%、目玉事業の「ネウボラ事業」は5.1%しか知らない、つまりほとんど知られていません。
こうした現状を区はどう評価していますか、早急な改善が必要です。
皆さんは、「まるのうち保健室」をご存知ですね。”女性ならではの身体の悩み”にアドバイスが受けられる期間限定の大人の保健室です。働く女性のための身体や働き方におけるふさわしいライフプランを構築するため、「まるのうち保健室」では予防医療コンサルタントによるオリジナルメソッドで、各種測定、カウンセリングを行い、身体の状態を知る機会を提供してきました。これらの測定結果を通じてまとめられた『働き女子1,000名白書』によると、日常生活において不足しているのは、「栄養」「運動」「睡眠」だとわかってきました。その結果を受けて「食育丸の内」としてエリアの飲食店の協力やメニューの展開も強めています。さらに、メーカーや協会、医療関係者やメディア関係者など、取り組みに深く共感してくださっているパートナーがいます。女性の健康と身体について真剣に考え、それぞれが持っている知識やノウハウを使って、女性たちがより健やかに充実した毎日を過ごすためのサポートをしています。
この例を参考に、「保健サービスセンター」が今までの「保健所」の機能を超えて、より積極的に区民に寄り添い、区民に打って出る保健政策にしていただきたいと考えます。シビックセンター3階を「区民の保健室」や「健康ゾーン」になることを強く希望します。 そこで、
<質問3>シビックセンター3階「保健サービスセンター」を、明るい健康的な雰囲気のアプローチにすること、健康や生活習慣病予防などの相談に気楽に立ち寄れるようにすること、区民が楽しく健康を学び、セルフケアができるセンターに改善していただきたい。 さらに3階南側の殺風景な屋上庭園前のイスのあるスペースを使って「健康学びの場」「イベント周知」や「健康カフェ」などが開催できるように、スペースの有効活用を提案しますが如何でしょうかお答えください。
④学校における「がん教育・授業」の推進について
2人に1人ががんになる、3人に1人ががんで亡くなる、死亡原因の1位はがんです。がんの知識をしっかり学び自ら予防していくには、「生活習慣の改善」が一番と言われています。今、若い人に子宮頸がんが多いことから、最近、小・中学校・高校で「がん授業」を行う学校が全国に広がっています。その目的は、
1. 子どもたちに「がん」の知識を学び、自らも予防する知恵を育てる。
2. 授業を受けた子どもが、両親や家族に伝えて、大人の生活習慣を変えるきっかけにする。親は、自分の子どもに生活習慣を注意されると聞かざるを得ない、つまり効果が高いからです。
文京区では、区長の施政方針で「小・中学生に対し「がん」に対する理解を促進するため、がん教育を推進する。」「小・中学生及び保護者等を対象としたがん教育を実施し、併せて学校に対する継続した情報提供を行うことで、がんに対する一層の理解促進を図る。」と宣言されています。
そして学校現場では、平成27年度から29年度の3カ年で全小中学校に、がん・感染症センター都立駒込病院や順天堂大学の専門家を派遣して「がん教育」が行われています。とても質の高いがん教育の実践です。しかし、今の回数では残念なことに、全く授業が受けられない学年が出てきています。文京区の子どもが、毎年全員「がん教育」を受けられるようにすべきです。
<質問4> 「がん教育」は、子どもにがんの正しい知識と自らも予防する知恵を育てる、さらに保護者や家族へ波及効果が期待できます。専門家による小・中学校の「がん教育」を全学年で受けられるように、もっと拡大すべきと考えますが、来年度以降のがん教育の推進と展開をお聞かせください。
2.文京区の無電柱化の推進について
①音羽通りの南・江戸川橋側の無電柱化を
7月の初旬に「音羽通りの護国寺から鳩山邸の当たりまでは無電柱化になっているのに、その南側の江戸川橋までは、どうして電柱があるのか」という質問を区民から頂きました。 私は早速、区の土木課を通じて、東京都建設局第六建設事務所に調べていただきました。
すると都の回答は「そもそも音羽通りは、護国寺から目白坂下交差点まで、そこから江戸川橋までは、椿山荘から降りてくる目白通りで、通りが違います。平成の初め頃、音羽通りの拡幅に合わせて無電柱化工事を行い平成12年に完了。その南側は、拡幅がすでに終わっていましたし、通りが違うので。」ということでした。
しかし現場を視ると、護国寺から鳩山邸付近までは無電柱化になっていますが、目白坂下交差点より北側は電柱が残っています。さらに、生活者や利用者の感覚からすると、せっかく拡幅や街の美観も良くなった通りの一部、南側だけ電柱があるのは、無電柱化の効果も下がり、災害時にここが障害になりそうです。
さらに、この区間の無電柱化計画は都にあるものの、工事予定が不確定であることを知りました。勿論、区土木課も私が調査依頼するまで全く認識がなかったことも明らかです。 そこで、一貫性の観点や住民要望もあることから、
<質問7> 音羽通りの南側と目白坂下交差点から江戸川橋までの目白通りの無電柱化工事計画を早期に実現させて無電柱化が途切れないように、東京都に強く働きかけていただきたいと考えますが、如何でしょうか。
② 巻石通りの無電柱化計画について
本年(平成29年)2月、私の一般質問で「巻石通りバリアフリー整備計画」に「東京都の無電柱化助成事業」を利用して無電柱化することを提案しました。区長の決断を求めたところですが、その後今年度に入って、東京都「無電柱化チャレンジ路線制度」の補助申請が認定されて推進に向けて努力頂いていることの報告を頂き、誠に嬉しく大いに評価させて頂きます。
巻石通りは、何度も申し上げていますが、
歩道が、
・狭い、傾斜がきつい、歩道が波打っている
・電柱、看板などの障害物があり歩きにくい。
車道は、
・自転車で走りにくい
・路上駐車が多く走行しにくい
・傾斜がきつい 道路です。
沿道には、総合福祉センターがあり、安藤坂の洛和会特養ホームも春に完成し、これから春日二丁目特養ホームの建設に入ります。福祉ゾーンになったわけで、何としても「人に優しいバリアフリーの安心安全な道」にすることを私は強く願っています。巻石通りは、大規模地震対策とバリアフリー度をさらに高めるため「無電柱化」は必須です。
区の当初のバリアフリー計画は、平成29年度に工事設計、実際の工事は、平成30年度~37年度で、全長1.4㎞を1年に200mずつ8年かけて改修する予定です。 たとえ工事年数が加算されても、東京都の無電柱化助成事業と指導を受けて、道路の機能を将来にわたって完璧にすべきです。改めて、
<質問6> 強い区民や議会要望に応えて区長の決断して頂いた「巻石通り」のバリアフリー計画と無電柱化への取り組みは、今後どのように進められていくのか工程や予定等お知らせください。
3.幼児教育無償化の段階的取組みについて
私は、2015年11月の一般質問で、「文京区の3-5歳の幼児が、幼稚園・保育園・子ども園のどの環境で育っても、同じレベルの教育を受けさせるべき。そして、一日も早く保育料は、コアな時間は「定額」にすべき」と訴えました。ベクトルの先は「無償化」です。
国は、財源を理由に現在「幼児教育無償化」を見送り、「段階的取組み」になっています。 このことから、28年度「多子世帯の保育料負担軽減」「ひとり親世帯等の保育料負担軽減」が行われました。
区は、国の動向を注意深く見ていく必要がありますが、文京区の幼児たちは、「幼稚園・保育園・こども園」の三つの行政の縦割りとその環境の違う中で毎日育っています。区は、幼児教育の無償化に向けて、今どの段階で検討中なのか、明らかにされていません。
<質問7> 区は「幼児教育の無償化」に向けて、まずは幼稚園・保育園・こども園の保育料一元化改定の考え方や整理について、どのような段階的取組みをしていくおつもりか、検討過程や今後の予定をお答えください。
4.後楽地域 エリアマネジメントについて
平成28年2月19日の自治制度・システム調査特別委員会で、旧労働会館跡地の土地利用として、初めて後楽地域の「エリアマネジメント」構想の報告がされました。それ以降、議会には何ら報告はありませんが、私は地元なので常に注目して見守っていました。
この地域の問題は
① そのままになっている旧労働会館の跡地活用
② 園児が少なくなった後楽幼稚園を「こども園」にしたい
③ 棚上げになっている小石川・本郷清掃事務所の統一化と新事務所建設 です。
この3点を、国と文京区が一緒に「エリアマネジメント」の計画で一挙に解決できると期待が膨らみます。
情報では、国の「採択前評価委員会」が7月末に開かれ、ここでの評価で来年の予算要求に大きく反映できる、つまり実現が見えてくると聞いています。そこで
<質問8> 旧労働会館の土地利用、後楽幼稚園のこども園化、小石川・本郷清掃事務所の統一と新事務所建設を含む「後楽地域エリアマネジメント」について、文京区として国に働きかけるべきです。さらに、私は早期実現を望みますが、そのプランや予定は見えているのか具体的にお聞かせください。
5.B-ぐるの路線拡大とバスターミナル設置について
2015年11月の一般質問で「B-ぐる4路線化・バスターミナル設置により、区内を隈なく行ける路線に」と私は、強く訴えました。実現するまで、粘り強く訴えていきます。
さらに私は、本年(2017年)2月の一般質問で、平成29年度予算でやっと「B-ぐる運行の分析委託」として911万円が計上されたことから、ただ漫然と調査してもアウトカムが実現できません。分析調査の考慮すべき点を挙げて、どのような実態調査と利用者アンケートになるのか、その目的を明確にお示しください。」と質問しました。
今回は三回目の質問です。そろそろいつ実行できるのかお答えいただきたいです。
7月の町会連合会と議会との懇談会でも「B‐ぐるの湯島・本郷地域の路線拡大」がテーマに上がり、町会や区民の皆さんの関心が高いことを痛感しました。
<質問9> B-ぐるの分析結果から、どのように路線拡大がされるのか、どの点が利用拡大されるのか、改善される点は何か、私の提案した4路線・バスターミナル化により区内隈なく移動できる案は採用されるのか、進め方や今後の予定をお示しください。区民は、早期実現を望んでいます、区長の前向きな答弁を求めます。
以上で私の質問を終わります。